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日本海側の思い

2011/02/11 16:56

 

  20年ほど前に初めて東京勤務になったとき、担当した官庁の事務次官に生意気にも苦言を呈したことがある。「次官、先ほどのご説明で何度か『裏日本』と言われましたが、適切とは思われません。これからは『日本海側』と言っていただけないでしょうか」

 

 北陸の冬は「雪おこし」「ブリ起こし」などと呼ばれる雷で始まる。11月の下旬ごろだろうか。「ゴロゴロゴロ」と不気味な雷鳴をとどろかせ、ときには激しい雷光も発する。日本海を通過する寒気に伴う大気の乱れが原因という。「いよいよ今年も始まるな」。曇り空と雪の日々が、3月半ばまで4カ月前後は続く。

 小学生時代は雪合戦やソリ遊びはもちろん、かまくらを作ったり、軒下の氷柱(つらら)をもぎ取って大小を競うなど冬の遊びには事欠かなかった。夢中になって走り回り、防寒着の下は汗びっしょり。曇り空は気分をどんよりとさせ、雪かきは疲れもしたが、冬の楽しい思い出は少なくない。

 積雪が2メートルを超すような豪雪地域と比べ、北陸地方の平野部では雪はさほど積もらない。金沢市の最深積雪は10年前に記録した88センチを除けば、ここ20年余りは40センチ前後で推移している。

 ただ、今冬は福井市で25年ぶりに積雪が1メートルを超え、交通網が麻痺(まひ)する大きな影響が出た。屋根の雪下ろしや雪かきの重機にはさまれる事故など、雪に関係した今冬の死者は全国で100人を超えたという。金沢市近郊にある実家の近所でも、朝の雪かき中に1人が亡くなられた。

 新潟大教授だった古厩忠夫(ふるまや・ただお)氏の著書「裏日本」(岩波新書)によれば、自然・地理的な違いだけではなく、「表日本」の太平洋側に対する「ヒト・モノ・カネの供給地として成立した呼称」だという。この用語は現在、マスコミでは使わない。差別、侮辱的な響きを持つことが理由とされる。新潟県出身の元首相、田中角栄氏(1918~93年)が政権の座に就いた影響との説もあるが、真偽のほどは知らない。

 きょう2月11日の東京は、珍しく雪が降り続いた。12日の朝方にかけ、多いところで10センチの「大雪」になるといい、テレビのニュースが注意を呼びかけている。子供のころ、自分もそうだったように、雪国の人たちはきっと、つぶやいているだろう。「東京は、たった10センチで大雪だって、ね」。もちろん、雪への備えが人々の心にも、あるいは消雪・融雪装置といったインフラもない東京では、10センチでも大雪なのは確かなのだが。

 東京勤務は通算16年を超えた。ほぼ晴天が続く関東の冬空は、同じ日本なのに不公平だと正直、思う。実は事務次官に意見をしたのは、数十人以上いる担当記者たちの中で、自分を印象付けたいという姑息(こそく)な思惑もあった。20代後半の若造記者に、次官はどう応じたか。「大変失礼しました。これからは気をつけます。教えていただき、ありがとうございます」。大物次官と呼ばれた理由を一つ見たような気もした。

(東京都内)

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幽霊に出会った竹中直人さん

2010/10/27 08:00

 

 

 先日、SANKEI EXPRESSに掲載する記事の取材で、俳優で映画監督でもある竹中直人さんにインタビューさせていただきました。強烈な個性を持つ竹中さんは、いったいどんな素顔をもつ人なのか。一度はお会いしてみたかった方です。

 主役として出演された映画「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」の公開に合わせ、インタビューを基に書いた記事は、既に9月末に掲載されました。ただ、決められた行数をかなりオーバーした原稿に仕上げてしまい、紙面に収まりきらなかった記述もいくらかあります。せっかく書いた部分をボツにするのは筆者としては惜しいこともあり、もともとの生原稿をインタビューの感想をまじえながら再録させてください。

(以下、インタビュー記事の原稿です)

  ◇

 独特の存在感は、スクリーンやテレビ画面の世界だけではなかった。渋さにあふれる低い声、普通のおじさんには真似ができない目を引くファッション、人なつっこさと鋭さが同居する眼差(まなざ)しに柔和な目尻のしわ…。どんな役でもこなす七変化の自在さだけでなく、映画監督、コメディアンに歌手と、一つの枠に収まらない。「竹中直人」とは何者なのか?

 「自分でも、わかんないですね。とにかく演じることは最高です。自分を捨てることができて、自分じゃないと思えることがどんなに楽しいことか。人がなぜ生きていけると思います? 自分自身を直接見ることができないからですよ」

 インタビュー中は、やや斜めに身を構え、目は時折合わすだけ。自身を語る言葉には少なからず照れがまじる。聞いてはいたが、「シャイな人」というのは紛れもない実像なのだろう。

 石井隆監督(64)の新作映画「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」で、主人公の何でも代行屋、紅(くれない)次郎を1993年公開の前作に続いて演じた。次郎は大手証券会社に勤めた経験を持ちながら、半ば人生を捨て、廃屋に近い建物の2階にある事務所兼住居で暮らす。ある日、「父の散骨時に落とした形見の時計を探してほしい」と話す美しい娘の依頼を引き受けたことで、思わぬ事件に巻き込まれていく。

 17年ぶりの続編となった今作品への思いは熱い。自らの劇画作品「天使のはらわた」シリーズが人気を呼び、映画化のメガホンも取った石井監督が描く世界は、ギラッとして、ホラーのような不思議な色合いが魅力という。「どんな映像に仕上がるのだろうという興奮を覚える監督です。その(撮影)場所にまた行けることがうれしくて、楽しかった」

 前作では海中に沈む車からヒロインを救い出す潜水シーンに奮闘を強いられたが、今作で最も大変な思いをしたのは、クライマックスの修羅場が繰り広げられる洞窟での撮影。ロケバスの中で仮眠を取りながら、宇都宮市の石切場跡で4日間にわたり徹夜に近い形で収録が続けられた。「幽霊にも会いましてね……怖くて、どっと疲れるから、この話はやめましょう」

(インタビュー記事の後半は次回に続けさせてください)

             ◇

 「R15+(観覧対象15歳以上)」指定のこの映画は、死体の解体シーンで始まり、暴力シーンやタイトル通りのヌードシーンもあり、ハードボイルドな作品に仕上げられています。ひと言で言えば、ドロドロとしていて救いようのない世界が描かれていますので、強烈な印象が残る一方、評価は分かれる作品といえるでしょう。竹中さんのほかに佐藤寛子さん、東風万智子さん、井上晴美さん、宍戸錠さん、大竹しのぶさんらが出演されています。大竹さんの怪演ぶりはなかなかのもので、さすが大女優と恐れ入りました。

 インタビュー記事にあるように、ロケ中に本当の幽霊が出たと竹中さんは話してくれました。正確に言えば、つい漏らしてしまったという感じでしょうか。インタビュアーとしては「興味深いエピソードとして、原稿に反映させられる」と思わずにはいられません。詳しい話を聞かせてくれるよう追加質問をしたのですが、竹中さんには「勘弁してください」という感じでやんわり断られました。あまりしつこく伺うのは失礼なうえに、場の雰囲気も壊してしまうので、断念した次第です。

 

(宮川浩和カメラマン撮影)

 

《たけなか・なおと=1956年3月20日生まれ、横浜市出身。多摩美術大学卒業後、劇団青年座に入る。83年に「ザ・テレビ演芸」でデビュー以来、映画やテレビ、舞台と幅広く活躍し、「シコふんじゃった。」(92年)、「Shall we ダンス?」(96年)などで日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。96年にはNHK大河ドラマ「秀吉」で主演を務める。91年の初監督作品「無能の人」でベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。最新監督作品は昨年公開の「山形スクリーム」》

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「最先端」の看板を下ろす日

2010/10/26 08:00

 

 10月上旬、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれたアジア最大級の家電・IT(情報技術)見本市「CEATEC JAPAN(シーテック・ジャパン))2010」を初日に訪れた。東京モーターショーなどの取材で何度も足を運んだ会場だが、シーテックは初体験とあって楽しみにしていた。

 もっとも、ざっと見て回った印象は「ちょっと残念な見本市」。大手メーカーの展示は新味の薄い3D(3次元)テレビ一色のうえ、市販予定品が中心のためかワクワク感に乏しい。「製品化は未定ですが、こんなことができます」といった技術展示のほうが驚きや楽しさを人は感じるものだろう。しかし、そうした出展は大手ほど少なく、勢いのあるベンチャー系の企業もほとんど見受けられなかった。

 IT分野をリードする海外のビッグプレーヤーが皆無だったことも、残念さを増幅させた。見本市への出展をとりやめている米アップルは別としても、グーグルマイクロソフト韓国サムスン、LGの姿が前面に見えない。1カ月前にドイツベルリンで催された家電見本市「国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA)」では、サムスンとLGが大規模な展示を繰り広げ、グーグルのエリック・シュミットCEO(最高経営責任者)が演壇に立った。その差は大きい。

 ソニーにいたっては、シーテックのブースを隣接するパナソニックなどの半分程度にスペースに抑え、IFAでは会見に登場したハワード・ストリンガー会長兼社長も、会場に姿をみせた形跡はなかった。市場や影響力の大きい欧州の見本市を優先するのは当然なのだろうが、「ソニーは手抜きだな」と漏らす記者仲間もいたほどだ。

 3D画像にペンで触れたような感覚を覚える技術(NTTドコモ)、向こう側が透けて見える有機ELディスプレー(TDK)など、未来を感じさせる展示もあり、専用眼鏡が不要の裸眼3D(3次元)テレビを披露した東芝の特設コーナーは最大2時間待ちの列ができて話題を呼んだ。

 ただ、「最先端のIT・エレクトロニクス展」というシーテックの看板は、世界的な物差しからすれば確実に色あせてきている。「このままでは看板を下ろす日がいずれ来るのでは」。そんな思いも抱いて会場を後にした。

 

 

【TDKの有機ELディスプレー/高木克聡記者撮影】

 

(10月17日付「SANKEI EXPRESS」掲載コラム)

 

 ※ちなみに、CEATECは「Combined Exhibition of Advanced Technologies」の頭文字などを基にした造語です。

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気分は浦島太郎

2010/08/15 11:59

 

  「私は2つのビデオカメラを使って3D(3次元)映像を撮影してきましたが、撮りためた映像ライブラリーは新製品でも利用できるのでしょうか」

 

 話題の的は、家庭用では世界で初めて3D映像の撮影・再生ができるパナソニックのビデオカメラ。事前の「Q&A集」にはないような質問に、発表会の壇上にのぼった担当部門の責任者は即座に回答できない。優に300人を超える取材者で埋まる会場には、静かなざわめきが広がった。
 
 一般的な記者なら、この手の質問は思いもつかない。記事は多くの人が関心を持つ「ニュース」で構成するのが常道で、マニアックと思える要素の質疑は優先度がおのずと低くなる。
 
 企業の製品発表会への参加は、十数年ぶりだろうか。正直言って浦島太郎のような気分にさせられた。会場にはマスコミ以外と思われる取材者が多い。フリーライターはもちろん、インターネットのニュースサイトや情報サイトの書き手、ブロガーなどだろう。
 
 別の大手電機メーカーでは、ブロガーを対象にした発表会も開いている。「口コミ的な情報の伝わり方は予想以上に反響が大きい」からだという。企業は自らのサイトを通じた情報発信にも力を入れており、ネット社会の進展がマスコミの立ち位置を大きく変えていることを思い知らされた。
 
 様変わりといえば、会見場にノートパソコンを持ち込む記者が圧倒的に多くなったのもその一つだ。以前は外国通信社の記者くらいだったが、ネットでのニュース発信が当たり前となったいま、新聞記者といえどもその場で速報用の記事をまとめないといけない。ICレコーダーを後で聞き返す「テープ起こし」を省くため、会見概要を即座に文字化する記者もいるようだ。
 
 とはいえ、キーボードをガンガンたたく記者が近くにいようものなら、たまったものではない。本人はリズミカルでいいのかもしれないが、確定キーを押すときだけ壊れんばかりに「ドガン」とやられるにいたっては、「うるさい」という言葉がノドまで出かかった。もっとも、会見を聞きながら苦もなく記事をまとめる彼らは、ある意味で尊敬に値する。「ながら記者」をこなせないロートル記者は、もはや時代遅れということだろうか。
 
(8月8日付「SANKEI EXPRESS」掲載コラム
 
 (パナソニックの3Dビデオカメラ)
 

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大人のウソ

2010/06/28 20:27

 

  「ウソも方便」という。「大辞林」(三省堂)によれば「事をうまく運ぶためには、ときには嘘(うそ)をつかねばならぬこともある」とある。ウソにまつわる慣用句、ことわざは多い。ただ、IT(情報通信)企業の富士通の辞書には「大人のウソはやむを得ない」という解釈もあると聞き、少々驚いた。

 

  •  発言の主は、富士通の社外監査役を務める山室恵氏。場所は株主総会。社長だった野副州旦(のぞえ・くにあき)氏を事実上解任したにもかかわらず「病気療養のための辞任」とウソの発表をしたことへの説明を求める質問に、こう答えた。 

 「ウソをつくことには非常に抵抗があったが、大人のウソとしてやむを得ないという気持ちもあった。適正でなく、反省し、おわびする次第です」

 法曹界出身の山室氏は、東京地裁で地下鉄サリンやリクルートなど注目度の高い刑事事件を担当したほか、さだまさしさんの歌詞を判決後の説諭で引用して被告に反省を促すなど、人間味豊かな名物裁判長として知られた。

 ただ、取締役の職務が適正かどうかをチェックするのが監査役の職務。ウソをいさめる側ではなく、支持する側に回ったのであれば、監査役を辞めてしかるべきではないか。「反社会的勢力との付き合いが理由なら、辞任ではなく正式に解任し、正直にディスクローズ(開示)するべきだったのでは」という株主の意見は、まさに正論だ。

 失笑を買ったのは、富士通の首脳が野副氏に辞任を求めた場が取締役会ではなく、「密室」だったと批判する株主への回答だった。「密室ではなく、応接室。脅迫的なことは全然言っていない」(大浦溥=ひろし=取締役)、「富士通に密室という定義はなく、応接室はオープン」(山本正己=まさみ=社長)

 この場合、部屋の名称に意味はない。取締役会という正式な議決の場であるか否かが質問の趣旨だ。株主を愚弄しているとしか思えない。

 株主総会は、株式会社の最高意思決定機関とされている。にもかかわらず質疑応答は一方通行で、議論の場ではない。多くの場合、議決も拍手であっという間に行われ、会社提案が「賛成多数」で認められる。富士通の場合は会場が2つあり、議長がいる第1会場では第2会場の状況は把握できそうにもないのに、である。久しぶりに取材した株主総会は、相も変わらぬ「シャンシャン総会」だった。

(6月27日付け「SANKEI EXPRESS」コラム【エディターズEye】より)


 

 

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「健全な」社会の一員とは思えないグーグルの企業姿勢

2008/11/10 08:20

 

グーグルのストリートビューについて、追加の報告をさせてください。

グーグルからは何の連絡もないのですが、つい最近、念のためにストリートビューをのぞいてみたら、我が家の周辺の画像がすべて削除されていました。前回のブログで取り上げたように、明らかに私道から撮った画像ですので、全面削除を要請していましたが、ようやく対応してもらえたわけです。

ストリートビューの画面にある「ヘルプ」からアクセスできる「不適切な画像を報告」という連絡方法を使って、即刻削除を要請したのが確か9月半ばでした。削除された日時が不明なので正確ではありませんが、11月初め頃にはまだ公開されていましたから、削除されるまでに少なくとも1カ月半はかかったことになります。でも、きちんと要請すれば削除されることが一応実証できたわけですので、私道からの撮影された画像について公開を望まない方は、グーグルに連絡をとることをお勧めします。

 

それにしても、私道からの画像は公開しないという方針を明らかにしているにもかかわらず、クレームがあった時点で初めて「不適切な画像」として削除するというやり方は、企業の姿勢としていかがなものでしょうか。ストリートビューに批判的な方のブログなどでも既に指摘されていることですが、有り体にいえば、私道と公道の区別をリサーチするという労力を、「不適切な画像を報告」という窓口を設けることで第三者に転嫁し、グーグルはコストを省いているわけです。しかも、私道から撮影された画像でも、「報告窓口」を設けていることを口実に、クレームが来ない限りは公開し続けることができるわけです。もちろん本人が気づいていて了解していれば、削除する必要は生じないでしょうが。

 

ストリートビューとは別に、最近、地図情報の「グーグルマップ」に書き込まれた個人情報が、誰でも閲覧できる状態になっているケースが相次いでいることが報道されました。産経新聞の記事のURLを参考までに貼り付けておきます。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081106/crm0811062322054-n1.htm

こうした事態を招いた一因は、グーグル側にもあると私は考えます。マイマップというサービスのプライバシー設定項目の初期設定が「一般公開する」となっていることが、間違いの元です。初期設定は「公開しない」(※現在は「公開限定」という表記になっていますが)としておき、積極的に公開を望む人に「一般公開」のラジオボタンを押す手間をかけてもらうようにすべきでしょう。

さらに、公開、非公開の設定があることに気づかない人向けに、検索した地図を保存する際には「一般公開されますが、本当によろしいですか」という注意喚起をすべきではないかと思います。不要なファイルなどをゴミ箱から削除する際には、ファイル削除の確認を「はい」「いいえ」の選択でソフトが自動的に求めるように。そうしないのは、公開情報を増やすために、グーグルが意図的に利用者を一般公開へと誘導しているとしか思えないのです。

 

グーグルは報道を受け、11月4日付で「マイマップの公開設定をご確認ください」という注意喚起を表示するようになりました。これはこれで評価すべき対応でしょうが、初期設定は「一般公開」のままで変わっていません。グーグルは「マイマップは、カスタマイズした情報をインターネット上で共有することが目的のサービスですので、初期設定は『一般公開』になっています」と説明しています。利用者のミスを防ぐことよりも、目的を優先するということでしょうか。

もちろん、このサービスを利用する側にも十分な注意が求められるわけですし、グーグルのサービスに不安を感じる場合は利用しなければいいわけです。しかし、現実的にはグーグルのマイマップを利用しない人が個人情報流出の被害に遭っています。初期設定に関するグーグルの説明は、一見もっともらしいようで、実態としては自己都合を優先したものに過ぎないように思えます。社会の一員たる企業として、その姿勢には疑問符がつきます。

 

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Google「ストリートビュー」の危うさ

2008/10/19 18:22

 

 

前回のエントリで、いくつかのコメントを寄せていただきました。ありがとうございます。tenyoufoodさんには、朝日新聞の記事について指摘していただきました。アメリカ下院議員と業者の汚職発覚は、Google上の議員自宅の写真が、議員給与に比べて豪華過ぎるという記者の疑問が発端だった」というものです。tenyoufoodさんは、この記事を指摘された主旨を明記されてはいませんが、恐らく、Googleの画像サービスがもたらしたメリットということなのでしょう。

 

該当する朝日新聞の記事を見つけ出して、読みました。それによると、汚職発覚のきっかけを作った画像はストリートビューではなく、以前からGoogleが提供している、衛星で捉えた上空からの画像でしたが、まぁ、同じようなものでしょう。犯罪をあぶり出したという事実は確かにプラス面かもしれません。ただ、この話を違った視点で捉えると、一つの問題を提起しているように感じました。

 

米国の下院議員が身にあまる豪邸に住んでいることが発覚するには、そこに誰が住んでいるのかという情報が不可欠です。新聞記事によると、その豪邸に誰が住んでいるのかという情報もGoogleの検索で判明したといいます(これも驚きですが…)。

 

家屋の画像と所在地がセットになった情報と、住人の素姓とを突き合わす「マッチング」が、当事者が知らない間に第三者によって行われる。たぶん、こうしたことは既に少なからず行われていると想像できます。会社や官公庁の名簿、学校の名簿、同窓生の名簿などをもとに、ストリートビューを使って興味本位で他人の家の画像を探す。知り合いレベルで行われているうちは、まだましな方でしょう。名簿業者などが売りさばいた名簿や、いまは閲覧が制限されているものの、かつて業者が収集した住民票のデータがマッチングされ、よからぬ業者のマーケティングに活用されるなんてことも十分あり得る話です。

 

我が家の住民票情報は、名簿業者によって売買されていることが分かっています。子供の年齢に合わせた塾や教材などのダイレクト・メールが自宅に届いたので、発送元に尋ねたところ、住民票データを名簿業者から買ったという説明を受けました。保有データを抹消するように依頼しましたが、名簿業者までさかのぼって情報が抹消されない限り、個人情報の垂れ流しを止めることは難しいでしょう。

 

想像を膨らませすぎなのかもしれませんが、ストリートビューは個人のプライバシーに関わる情報を商売のタネにするとともに、監視社会の一翼を担うような危うさをも、はらんでいるような気がします。

 

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こっちだけでなく、あっちでも書いています

2008/10/17 18:19

 

こちらの、より個人的なブログとは別に、現在の職場であるSANKEI EXPRESS(EX)の公式ブログでも、3週間に1度ほど、ブログを書いています。

よろしかったら、こちらものぞいて見てください。これまで書いた3本の記事へのリンクを貼り付けておきます。

 

①映画は脚本が命。

http://sankei-express.iza.ne.jp/blog/entry/705855/

 

②「クルマの達人」の悩み

http://sankei-express.iza.ne.jp/blog/entry/732561/

 

③私は、これでクビになりました…。

http://sankei-express.iza.ne.jp/blog/entry/758554/

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「迷惑」なグーグルさんへのお願い

2008/10/14 22:49

 

前回のブログで書いた、グーグルの「ストリートビュー」について補足させてください。

ちなみに、前回のブログは久しぶりに書いたので、語調が新聞記事と同様になってしまいましたが、今回から「ですます調」に改めさせてください。

実は、自宅の画像について削除要請をしたのは、洗濯物が写っていること以外にも理由があります。それは、明らかに自宅の画像は私道から撮影されたものだということです。

ストリートビューで公開している街の写真について、グーグルは公道から撮影したものに限定すると説明しています。そして、間違って私道から撮影した画像が仮にあり、要請があれば、削除するという考えを示しています。

たまたまですが、私の自宅の周囲はすべて私道です。公道からは撮影できません。ということで、私道からの撮影であり、かつ洗濯物が写っていることを理由に削除を要請したのです。

ですが、削除されたのは、自宅が写った画像3枚のうち真正面から撮った1枚だけ。斜めの方向から撮影された2枚は公開されたままで、うち1枚には洗濯物も確認できます。

グーグルさん。米国では、私道から撮影した画像をめぐって訴訟が起こされているということですよね。改めて残る2枚の削除を要請をしましたが、私道に侵入して撮影した画像を一日でも早く、すべて削除してもらえないでしょうか。

 

 

 

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「迷惑」なグーグルからの、詫び状

2008/10/13 01:49

 

  我が家の洗濯物がネット上で知らぬ間に公開され、日本はおろか、世界の誰もが見ることができるという状態になっていたのには、少々驚いた。もちろん、そんなものに興味を示すアメリカ人やフランス人、イギリス人がいるとは思えないから、たんに「見ることが可能」なだけにすぎないのは言うまでもない。

公開の主は、インターネット検索最大手・グーグル。地図と組み合わせ、街中の写真をネット上で見られるようにした新サービス「ストリートビュー」をチェックしたところ、我が家のベランダが写っていた。青空のもと、そよ風にたなびく洗濯物…。私を含めた家人が誰も写っていないのは「不幸中」の幸いだったが。

周知の通り、このストリートビューがプライバシーや肖像権をめぐって日本でも議論となっている。東京・町田市議会は10月9日、ストリートビューの規制を検討するよう国に求める意見書を採択した。「地域や個人への撮影告知も公開許可願もない」というのがその理由だ。

我が家にも撮影告知はもちろん公開許可願など届いていないから、撮られた映像の公開を止めさせるには、グーグルに自ら連絡するしかない。もちろん、すぐに削除を要請した。3週間後ぐらいだろうか、グーグルから次のようなメールが届いた。

            □

Googleユーザー様、
この度は Google マップ ストリートビューの不適切な画像についてご連絡いただきありがとうございました。ご連絡を頂戴しました画像を確認し、公開を停止させていただいたことをお知らせします。ご不便をおかけし大
変申し訳ありませんでした。今後とも Google をどうぞよろしくお願いいたします。                       

                                         Google マップ チーム

              □

この連絡に書いてある「ご不便」の意味は、到底理解しかねる。不便など何もなく、迷惑を被っただけなのだから。たぶん、「ご迷惑」と書けば自らの非を認めてしまうことになり、損害賠償請求を起こされたときなどにマズイと考えたのだろうか。

確かに、洗濯物が真正面から写った画像は削除されてはいた。ただ、横から撮った画像は、まだ2枚公開されたままだ。残り2枚についても削除するよう、グーグルに再び通知した。返事は、まだ届いていない。

9月に来日して記者会見した米グーグルの法務責任者で副社長のケント・ウォーカー氏は「オプトアウト(撮影・公開した後、問題があれば通知してもらい、削除する)の方が効率的」と語ったという。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/29/news080.html

効率を優先するのは、自社の都合にすぎない。手前勝手な理由を正当化するのは勘弁してほしい。

 

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