記者を取り巻く誘いの手

2006/11/16 23:59

 

17年ほど前のことになりますが、大阪本社の経済部で建設業界を担当していたときのことです。ある企業の首脳との懇談会を終え、出席したマスコミ各社の記者に記念品と称するものが帰り際に配られたことがありました。「これは何ですか」と尋ねて、「たいしたものではありません」という返事をもらったのですが、中身の分からないものを持ち帰ったのは迂闊すぎました。

年末も近かったので翌年の卓上カレンダー程度かなと考えていたのですが、記者クラブに戻って中身を確認したところ、入っていたのは確か1万円のワイシャツ仕立券でした。上司に報告した上で、その日のうちに、すぐさま返却しました。他社の記者も何人かが返したことを後日知りましたが、業界紙の記者などで、もらったままの人もいたようです。

16日判明した朝日新聞大阪本社社会部の記者のように、取材相手の企業や業者から、異動の餞別や「出産祝い」として15万円もの現金を贈られるといった経験は全くありません。記者という職業上、金額の多寡ではなく、現金を受け取ること自体が問題かもしれませんが、仮に「社会的なお付き合い」という物差しを基準にした場合でも、度を超えていると言わざるを得ないでしょう。

朝日の記者が現金の入った封筒を開封していなかったことが、お金を懐に入れていなかった証拠として有利に働くのか、あるいは杜撰な対応ぶりとみられるのかはわかりませんが、恐らく後者だと思います。「出産祝い」として渡された封筒には、現金が入っていると考えるのが普通でしょうから。

これも相当前の話ですが、経済部の先輩が笑うに笑えないような体験をしています。不祥事を起こした金融業界の企業が記者会見を開き、取材を終えて引き揚げようとしたときのことです。その企業が「お足代に」と1万円の現金が入った封筒を渡そうとしたといいます。先輩記者は中身をその場で確認し、もちろん封筒は受け取りませんでした。不祥事を起こした企業が、記者にカネを配るという信じがたい出来事ですが、企業体質が根本から腐っていたとしかいいようがありません。

記者を取り込もうという誘惑は、少なくありません。現金を受け取るということはあり得ないことですが、17年ほど前には、手渡された物品の中身をその場で確認しなかったという失敗を私はしています。朝日の記者の件を他人事ととらえず、気持ちを引き締めなければいけないと受け止めています。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 指定なし

コメント(5)  |  トラックバック(3)

 

「社民党系」ではなかった? 滋賀県知事

2006/11/15 23:59

 

「もったいない」をキャッチフレーズに、7月初めの滋賀県知事選で当選した嘉田由紀子さんの記者会見というか、講演を日本記者クラブで聴いてきました。処理すべき案件に追われ、この半年余りは朝から晩まで東京・大手町の本社内で棲息する、完璧な内勤状態に陥っていたので、外の空気を吸うのは新鮮でした。余談ですが、私は記者会見に出たら基本的に質問の手を挙げることをモットーにしてきました。ただ、軟禁状態に長らくあったこともあり、今回は聴くことに専念した次第です。

嘉田さんが当選した当日は東京本社内にいて、大阪本社から送られてきた記事をもとに、東京本社発行分の紙面に仕上げました。社民党の福島瑞穂党首が、ここぞとばかりに喜びのコメントを出したことを覚えています。

いわく「社民党が支持し戦った、かだ由紀子候補が、自公民が推薦した現職知事を破り当選した。この結果を滋賀県民とともにまず喜びたい(中略)。社民党は、かだ新知事とともに、平和で安心して暮らせる社会の実現にむけて,邁進していく決意である」(※「かだ」は原文のママ)。

確かに、嘉田さんは社民党だけから支持を受け、自民、民主、公明の3党が推薦した現職と、共産党が推薦する候補に打ち勝っています。この構図だけを見れば、全国で数少ない社民党系の知事が誕生したことになり、福島さんが喜ぶのも当然かなと思っていました。
「推薦」と「支持」は有権者から見れば大差はないでしょうが、政党側からすれば積極的に擁立する候補が「推薦」、候補者の依頼に応じて推すのが「支持」という色分けになると思います。「支持」にとどまった社民党が自前の候補のように喜ぶのは「?」ではあったのですが、唯一の支持政党であったのは事実ですから、社民党系の色合いの濃い人かなと思っていたのです。

ところが、嘉田さんが記者会見で話した選挙についての説明によれば、どうやら事情が違うようです。滋賀県や関西の方ならとっくに承知のことで、単に私が知らなかっただけなのですが、嘉田さんは立候補する際に「県議会に議席を持つ全ての政党に推薦をお願いした」といいます。自前の推薦候補を擁立していた共産党にも依頼したので、共産党が「何で私どものほうに推薦を依頼されたのですか」と驚いたというエピソードも、嘉田さんが紹介されていました。

どの政党からも距離を置き、いわゆる「県民党」的な戦い方をするケースは珍しくありませんが、当選するような有力候補が、共産党を含む全ての政党に推薦依頼を出すというのは、寡聞にして知りません。いずれにせよ、嘉田さんは社民党系ではなかったわけです。

嘉田さんは立候補にあたり、「脱政党」とは一味違う「超政党」を掲げていたそうです。「超●●」といえば、8月の長野県知事選で勝った村井仁さんが「超田中」を掲げていましたが、嘉田さんのほうが先に「超●●」をアピールしていたわけです。超政党の狙いについて、嘉田さんは「地方自治は近代文明に関する本質的な課題であり、政党政治の枠組みや政党の違いを超えて解決されるべき問題」と、パワーポイントを使って説明されていました。京都精華大の教授から当選された学者(※もともとは県庁職員ですが)だけのことはあります。やや概念的ではありましたが、いわんとしたいことは何となく分かる気はしました。

肝心の会見の中身ですが、会見(=講演)のタイトルは『「もったいない」を活かす住民主体の地域づくり』というものでした。地道な活動をされてきたことが伺えるお話でしたし、共感を覚える部分も多々ありました。世間的に注目されている新幹線新駅の建設凍結に関しては「この場で言うには機が熟していない」とのことで、ニュースとなる発言はありませんでした。

柔らかな物腰と口調とは裏腹に、結構芯が強い人とお見受けしました。建設推進派が多数を占める滋賀県議会やJRとの攻防は、これから本格化します。政治的経験がゼロとはいえ、案外したたかな手腕で乗り切るのではないかと思わせるところもありました。注目しています。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 地方政治

コメント(0)  |  トラックバック(1)

 

読売新聞社説との一致

2006/11/14 23:59

 

読売新聞さんが14日付朝刊で福島県知事選を取り上げていました。その見出しは教育基本法とは何の関係もない」。奇しくも、前回のエントリ「福島県知事選の教訓」で指摘した鳩山由紀夫民主党幹事長発言のおかしさを、より論理正しく批判した内容です。

要約すれば
「理解に苦しむのは、選挙結果を受けた民主党などの言動である。鳩山幹事長は『教育基本法改正の論議をやり直せというメッセージだ』と語っている。社民党も『国会内での戦いを強化する』としている。だが、教育基本法改正案は争点にはなっていなかった。地方選である知事選の結果と結びつけるのは無理があり、牽強付会(けんきょうふかい)以外の何物でもない」。

社説を書かれている論説委員の方だけであって、難解な言葉を自在に操っておられます。辞書によると「牽強付会」は、「自分の都合のいいように強引に理屈をこじつけること」ですが、まさにぴったりの表現ですね。こんな言葉を普段使うことはないので、前回のブログを書いているときには全く思いつきませんでした。冗談抜きで勉強になります。

話が横道にそれてしまいました。社説に取り上げられるまでもなく、一つの知事選で推薦候補が勝ったからといって、鬼の首を取ったかのように野党の幹部がはしゃぐのは、見苦しいとしかいいようがありません。福島知事選の結果について、私は休刊日明けの13日、大阪夕刊の記事で「民主党が一矢を報いた形」と書きました。「一矢を報いた」とせず、「形」をわざわざつけたのは、今回の知事選が構図上は自民・公明党Vs民主・社民党であったものの、「自民党だから」「民主党だから」という基準で一票を投じた福島県民の方が、圧倒的多数を占めていたとは思えなかったからです。

もちろん、自民、公明両党が推す候補が敗れたという意味を軽視するものではありません。地方選といえども連敗につぐ連敗では、民主党小沢一郎代表の求心力にも影響なしとはいえなくなります。沖縄は政治的に特別なポジションにありますが、与党対野党という視点においても、19
日投開票の沖縄県知事選の結果は見逃せないといえるでしょう。

読売、朝日、毎日各紙や共同通信の世論調査によると、自民、公明両党が推す前沖縄電力会長の仲井真弘多さん(67)と野党各党が推す前参院議員の糸数慶子さん(59)が横一線の状態で競り合っているようです。メディアは、米軍再編に絡む「基地問題」を争点としてきましたが、沖縄県民の最大の関心事は「経済振興」(毎日新聞の調査)、「経済の活性化」(朝日新聞の調査)にあるという結果が出ています。景気が良くなり、暮らしぶりが少しでも楽になることを、沖縄県民のみなさんがまず願うのは、何も驚くべきことではないでしょう。「基地問題」も沖縄経済とは切り離せない関係にあります。

東京から沖縄はあまりにも遠く、私が直接的に管轄する地方選でもないので何の情報も持ち合わせていませんが、「経済」を重視する気持ちが沖縄県民のみなさんの中で高まれば、仲井真さんが選挙戦で一歩抜け出る可能性が出てくるようにも思えます。仮に野党が推す糸数さんが敗れたとき、民主党の鳩山幹事長は何と言うのでしょうか。発言を言い当てることは難しいものの、牽強付会の内容であることは間違いないと断言していいのではないでしょうか。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 指定なし

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

福島県知事選の教訓

2006/11/13 23:59

 

ひと言で言えば、選挙は甘くないということを如実に物語ってくれた知事選だったと思います。民主党の福島県連は告示前、落選した森雅子さんへの推薦をいったん決めています。自民党公明党が推す候補には原則、相乗りしないという方針を打ち出している小沢一郎代表が見直しを指示しなければ、森さんは間違いなく福島県知事になっていたでしょう。現職の国会議員に議席を放り出させてまでして、民主党が勝負に出てくるとは、政治は素人の森さん自身はもちろん、玄人である自民党も想定していなかったに違いありません。

当選した佐藤雄平さんの選挙戦略も見事に当たりました。佐藤さんはもともと、自民党・竹下派の7奉行の一人に数えられた渡部恒三・民主党最高顧問の秘書を約
28年間も務めています。保守層にも深い人脈を持つゆえに「県民党」を名乗って政党色を消し、自民党支持層からも票を得るという老獪な手段に打って出ました。街頭での応援演説で自民党批判を繰り出した渡部さんに対し、自ら苦言を呈して自民党批判を諌めるシーンもあったと伝えられています。その結果が10万票という大差につながったことは、疑う余地がないところでしょう。

機を見るに敏というか、こざかしいと言っていいのか、集票マシンといわれた建設業界が選挙戦最終盤になって佐藤さん支持へと雪崩れ込んだようです。そもそも出直し知事選につながる談合事件に関与した業界とあって、今回は表立った動きを控え、どの候補への推薦・支持も打ち出していませんでした。にもかかわらず、最後の段階で佐藤さんが有利になったとみるや「佐藤支持」の動きが建設業界で一つの流れになったようです。

読売新聞の
13日付夕刊は「佐藤氏は『刷新』を掲げたが、建設業界が動くという従来型の選挙からは結局、脱却できなかった」とする、福島支局の記者の署名入り記事を載せています。従来型の選挙ということであれば、選挙後の見返りを半ば約束する形で業界を動員することを指すと思えますが、今回の知事選が仮にそうであれば、談合事件後の「出直し」の意味が全くありません。

佐藤さんの肩を持つわけではありませんが、読売の記事は断定的に書きすぎではないでしょうか。水面下での動きまではわかりませんが、単に業界側が擦り寄ってきただけならば、従来とは明らかに違った構図といえるからです。いずれにせよ、官民癒着の根を断てるかどうかは、新県政の運営ぶりによって示されることになります。

森さんにとっては、民主党自民党の間でふらついた印象を与えたこともマイナス要因だったでしょう。民主党の国政選挙の公募候補に応じていたのに、自民党に「鞍替え」して知事選に出たことは、政治的信念に確固たるものがないことを自ら証明してしまったように思えます。そうしたことが背景にありながら、落下傘のように降りてくる格好で知事候補者に決まった森さんへの反発心が、自民党県連の中にあったことが告示前に伝えられていました。

森さんは出身地のいわき市では佐藤さんに 
39000票の差をつけてトップとなっていますが、福島市や郡山市などそれ以外の都市部では、いずれも佐藤さんに差をつけられています。福島県出身といっても、秘書時代が長かった佐藤さんと比べると、地元での活動ぶりは天と地ほどの差があったことも、大きなハンデだったと思います。

県民の関心の高さから60
%は超えると思えた投票率が、59%弱にとどまったことは意外でした。県庁がある福島市は54%、郡山市48%でした。大票田の投票率が比較的低調だったのは、いずれも佐藤さん、森さんの地元でないことが作用したのでしょうが、真の事情は定かではありません。もう少し投票率が上がれば、トップと次点の差は縮まったかもしれませんが、佐藤さんの優位は動かなかったと思われます。

こうやって振り返ってみると、あくまで結果論ですが、マスコミの世論調査が伝えたほどは両者は接戦ではなく、それなりの差がじわりじわりと広がり続けていたようです。これほどの大差を予測できなかった私の読みの甘さも反省しないといけません。

もっとも、選挙結果を受けて民主党鳩山由紀夫幹事長が発言したようなことは、全く的外れであって、政治的プロパガンダに過ぎないでしょう。いわく、「核保有論議に県民が危機感を持った」「教育基本法改正の論議をやり直せというメッセージだ」と指摘したほか、学校でのいじめや高校での未履修が相次いでいる状況も、今回の結果を招いたとしています。鳩山さんが本気で言っているとすれば、その感性は結構ずれています。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 地方政治

コメント(2)  |  トラックバック(1)

 

素晴らしいNHKの開票速報

2006/11/12 21:22

 

福島県選挙管理委員会が開票速報を流してもいないのに、時間は不正確ですが、NHKは既に8時45分頃から開票の票数までネットで流し続け、頻繁に更新しています。

10月の衆院統一補選でもそうでしたが、開票所に人員を張り付けているのでしょう。県知事選ともなれば開票所は1カ所ではなく、県内全域の各地に設けられます。選管発表前に票数の速報を流すためには、アルバイトなどを雇って全開票所か、それに近い数の開票所に人を張り付けているとしか思えません。

公共放送が果たしてここまでする必要があるのかどうか、少なからぬ疑問も抱きます。あるいは選挙管理委員会の足らざる部分を補うため、公共放送ゆえに開票速報に受信料を投入して完璧を期しているのでしょうか? ちなみに、選管の開票速報は22時ちょうどにスタートします。

それはそれとして、NHKの開票速報によれば、開票16%(21時16分)の段階で、佐藤雄平氏が8万7651票、森雅子氏が5万6142票となっています。 ここまで差が広がるとは予想しませんでした。福島県民のみなさんは、非常時ゆえに政治経験者を選択するという堅実な判断をされたようです。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: メディア

コメント(3)  |  トラックバック(2)

 

早すぎる速報! 「佐藤氏当確」福島県知事選【追記あり】

2006/11/12 20:28

 

投票が終わった午後8時を過ぎたばかりで、まだ開票もされていないのに、福島県知事選で、民主党社民党が推薦する佐藤雄平氏(58)の当選確実という報が流れました。NHKが「佐藤氏当確」と報じ、朝日新聞もネットで佐藤氏の当選確実の報を打っています。いずれも、出口調査で佐藤氏がかなりのリードしていることを確認したのでしょう。

しかし、共
同通信社は「出口調査によると、佐藤雄平氏が森雅子氏をわずかにリード」という情報を流していますが「当確」はまだ打っていません。読売新聞も、まだ静観の状況です。産経新聞も、まだ静観します。

【追記】
と書いているうちに、共同通信も「佐藤氏当確」を打ってきました。弊社の福島支局によると、自民、公明両党が推す森雅子氏が、間もなく敗戦の記者会見をするようです。もろもろの情報、取材、情勢判断など総合的な観点から、弊社も「佐藤氏当確」の判断にゴーサインを出すことにします。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 地方政治

コメント(0)  |  トラックバック(0)

 

論説委員の飲酒運転の「罪と罰」

2006/11/11 23:59

 

公共交通機関が便利とはいえない地方都市では、通勤や買い物などに自家用車は欠かせない存在です。私の故郷、石川県でも自家用車なしでは日常生活は不便極まりないといっても過言ではありません。共働き世帯では一家に2台の車があるのは普通のことですし、農家ともなれば3台以上所有していてもおかしくありません。一杯飲んで車を運転して帰るといったことが、起きやすい土壌であることは間違いないでしょう。

の石川県で最も高いシェアを誇り、金沢市に本社がある県紙・北国新聞社の論説委員(47)が、お隣の富山県内で酒気帯び運転をして自損事故を起こし、警察に道交法違反(酒気帯び運転)で検挙されていたことが11日、全国ニュースとなって流れました。飲酒運転の撲滅が社会的な課題になっているいま、事の善悪は論じるまでもないことなのですが、まさに言論を生業にする論説委員という立場の人が、飲酒運転で事故を起こすとは、同業者から見てもあきれるばかりです。

市電停留所のコンクリートブロックに乗り上げ、時刻表付きの安全灯などをなぎ倒して横転するという事故は、9日午前4時ごろに起きています。しかし、この論説委員が会社に申告したのは翌10日です。そして、飲酒運転の件を北国新聞は11日付の朝刊で掲載しています。他の報道機関がテレビやインターネットのサイトで報じたのは11日になってからですから、北国新聞社は事態を把握した10日には対外的な発表は行わなかったとみられます。こうした対応の遅さは、警察に働きかけて事故の事実を隠蔽しようとしたのではないかという疑念すら生じさせるものでしょう。

それだけではなく、朝日新聞の報道によれば、北国新聞社は「飲酒した場所や量などについては『紙面で公表した以上のことは言えない』としている」そうです。調査中ならまだしも、「言えない」というのは、普段は取材する側として事実の真相に迫る立場にある報道機関としては、極めて残念な対応ぶりです。

私の幼いときから自宅には北国新聞が届けられ、小学生の一時期には北国新聞の夕刊を配達した経験もあり、個人的にはとても馴染み深いメディアなのですが、紙面の質という面では首を傾げざるを得ません。帰省したときに読むと、地元のネタでとにかく埋め尽くす紙面構成や、自社関係のイベントの紹介に異様なほど紙面スペースを割く厚顔さに、ただただ圧倒されるばかりです。「加賀百万石」というフレーズをいまも愛する石川県民の保守的な気質は、北国新聞というメディアの後進性に負うところが少なくないとすら思えるのです。

くだんの論説委員は編集局を離れ、10日付で総務局付となっていますが、「厳正に処分する」(同社広報課)という措置の内容は決まっていないようです。警察などの不祥事では、何カ月かの停職などの処分を下した上で、本人の依願退職を認めるというパターンが非常に多くなっていますが、これは退職金を支給し、場合によっては次の就職先を斡旋するという条件が裏に隠されています。同業者としてだけではなく、石川県民、あるいはかつての読者の一人として、北国新聞の処分内容が警察と同じパターンにはならないことを願うばかりです。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 指定なし

コメント(2)  |  トラックバック(0)

 

福島県知事選の読み方

2006/11/10 23:59

 

出直し福島県知事選の投開票日である12日が、目前に迫りました。候補者は無所属の5新人ですが、このうち3人はすでに当選圏外にあり、知事の座をめぐる争いは2人に絞られています。民主党社民党が推薦する前参院議員の佐藤雄平さん(58)、自民党公明党が推薦する弁護士の森雅子さん(42)のいずれかが、新知事になることは確実です。

もっとも、はっきり言って他の3人には当初から当選の可能性がほとんどなかったのですから、これは誰にでも予想できることに過ぎません。ここは新聞記者の意地をみせて何とか新知事を予想したいところですが、かなりの接戦となっていますので、正直言って、どちらが当選するかはフタを開けてみないと分かりません。

投票日前に投票できる期日前投票は既に8万を超えています。知事選への県民の関心はそれなりに高く、逮捕された前知事の信任投票だった前回選よりは投票率は上がり、60%を超えそうです。投票率が高い場合は、いわゆる無党派層の浮動票が動くことになるので、通常なら無党派層を引きつけるタレント的な候補や女性候補が有利となります。今回の知事選にはタレント的な候補はいませんので、唯一の女性候補である森さんが有利になるはずですが、実際はそうとも言い切れません。

というのも、県発注の公共事業をめぐる談合に絡んで前知事が逮捕されるという非常時ゆえに、県政の立て直しを託したいという考えから、政治的な手腕に安定感がある候補に浮動層の票が流れる可能性があるからです。佐藤さんは民主党最高顧問の渡部恒三さんの秘書を長く務め、参院議員として国政を担っていただけに、政治的な経験は十二分にあります。つまり、投票率が上がったとしても、森さん、佐藤さんのどちらにも浮動層の票が入る可能性があるわけです。

ということで新聞紙面上では「激戦」「接戦」という表現でしか、最終盤の情勢は書きようがなく、11日付の産経新聞紙面に載せた短い記事では、当選圏内にいる候補は2人に絞られているものの、「つばぜり合い」の状況にあるという感じの内容にしました。選挙担当者としては、他社の報道は気になるところですが、現段階で世論調査を行ったとしても浮動票層の動きはつかみにくいので、ほぼ同様の書き方にならざるを得ないでしょう。

ただ、「フタを開けてみないとわからない」ではブログを書いている意味も半減してしまいますので、あえて大胆予想をするならば「佐藤さん当選」としたいと思います。不祥事後の県政立て直しのため、参院議員としての経験を重視する県民が福島には多いのではないかと考えるからです。30年前の汚職事件で当時の知事が逮捕された後を継いだ故・松平
勇雄さんは参院議員出身でした。今回逮捕された前知事も参院議員出身です。

新聞読者のみなさんには大変申し訳ないのですが、投開票日の12日は翌13日の朝刊が発行されない「休刊日」にあたります。つまり、福島県知事選の結果を伝える一般紙は13日の夕刊(弊社の場合は大阪本社発行分のみ)での報道になります。休刊日に新聞記者の大半は休みをとりますが、重要な選挙を抱える支局の担当記者らに休みはありません。弊社では東北総局と福島支局の情報をもとに、インターネットの「産経Web」で速報を行いますが、余裕があればこのブログでも状況をお伝えしたいと思います。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 地方政治

コメント(2)  |  トラックバック(0)

 

東京タワーが、なくなる?

2006/11/09 23:59

 

我が家の小学生の娘2人を連れ、休日の夜に東京タワーの展望台を訪れました。2人とも東京タワーの外観は何度も遠目から見ていますし、幼いときに展望室に足を踏み入れています。ただ、ライトアップされた東京タワーを真下から眺めたのは、2人とも初体験。そのとき撮ったのが、前回のエントリで載せた写真です。

この東京タワーを経営する日本電波塔の初代社長を務めたのが、産経新聞の創業者の故・前田久吉氏だったということは、弊社を含むフジサンケイグループの社員や関係者なら知っていることでしょうが、一般の人にはあまり知られていないかもしれません。現在の社長は、久吉氏の御子息である前田伸さんが務めておられます。余談ですが、弊社の創業者の御子息が東京タワーの経営者だからといって、入場券割引といったような何らかの特典が弊社の社員にあるわけではありません。

昭和33年に完成した高さ333メートルの東京タワーへの有料入場者は、昨年度は260万人にのぼったそうです。今年9月末には累計で15000万人を超えました。もっとも、地上デジタル放送の電波塔として墨田区に計画されている高さ610メートルの「新東京タワー」(「すみだタワー」との呼び名も)が完成すれば、人気がそちらに移ることは確実でしょう。

電波塔としての役割をほぼ終えてしまうと、東京タワーの経営は観光収入に頼らざるを得なくなります。その頼みの観光客も、新東京タワーに奪われてしまうことは避けられないでしょう。となると、東京タワーに存続の危機が浮上する可能性も、現実的に十分あり得るように思えます。

日本電波塔は、タワーの最上部を改造して高さを360メートルに引き上げ、現在ある地上デジタル放送のアンテナ位置を高くすることで、新東京タワーの建設を不要にするという計画案を作ったようですが、墨田区への立地が発表されていることからすれば、この案は立ち消えになったのでしょう。報道によれば、日本電波塔は、タワーを国の登録有形文化財として登録申請することも検討課題にしているようです。

登録有形文化財は、築後50年以上の「歴史的景観に寄与している建物」などが対象で、登録されると外観を改修する際には届け出が必要なものの、改修費の一部を国が負担してくれます。そんなことよりも、少しでも観光名所としての価値を上げることが狙いでしょうが、外観の変更などに規制がかかれば、タワーの運営に支障が出るかもしれませんし、文化財になったからといって集客効果につながるかどうかは未知数です。ちなみに、テレビ塔としては名古屋市の名古屋テレビ塔が、昨年初めて登録有形文化財になっています。

個人的な感想ですが、東京タワーの展望室から見える周囲の夜景は感嘆を上げるような美しさとは、いえないように思えます。近くに見える六本木ヒルズも太巻きが膨れ上がったような姿で、美しさとは縁があまりありません。一方で、東京タワー自身のライトアップは美しく、たとえば六本木ヒルズの展望室から見える景観として東京タワーは欠かせない存在だと思います。ただ、それでは六本木ヒルズの展望客の増加に貢献するだけで、東京タワー側の収入にはなりません。

当面は日本電波塔さんに「新東京タワー対策」をしっかり練ってもらうしかないでしょう。タワー内には水族館などの施設があるにはありますが、今ひとつ魅力的には感じません。その足に触れば御利益があるとされる大阪・通天閣の人気者「ビリケンさん」に匹敵するような名物を、東京タワー内に作り出すことも今のうちから考えておくことが必要かもしれません。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 指定なし

コメント(2)  |  トラックバック(0)

 

「東京タワー  オジンと娘と、時々……」

2006/11/08 23:59

 


本日はとても忙しくて、ブログ更新を断念せざるを得ないかと思いましたが、写真だけアップして、本文は翌日のお楽しみに……ということで恐縮です。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 指定なし

コメント(0)  |  トラックバック(0)